中華工房幸貴


外観(11.9.2)

汁なし担担麺(11.9.2)
源醤らぁ麺(11.9.2)

所在地 銚子市東芝町2-13
電話 0479-25-0005
営業時間 11:30〜14:00,17:30〜20:30
定休日 月、第3火
アクセス JR総武本線「銚子」駅下車。ロータリー正面目抜き通りを直進、銚子プラザホテル先を右折。2つめの交差点を左折しすぐ右側。

大きな地図で見る

 創業90余年を誇る「大塚支店」をはじめ、老舗のラーメン店が多いイメージのある銚子だが、こちらの店は昨年6月にオープンした中華料理店。駅から歩いて数分という立地にある雑居ビルの1Fにある。店内はテーブル席がメインで30席ほど。店主の山口さんは地元銚子の出身で、代々木上原の名店「飄香(ピャオシャン)」の井桁シェフの下で働いていたこともあるのだそう。「飄香」は僕も大好きな店なので期待が高まる。ちなみに店名は「さちき」と読む。

 メニューは中華料理店なので麺類ばかりではない。しかし場所柄、どうしても麺飯中心のラインナップになっているのは仕方のないところだろう。チャーハンなど気になるメニューも多々あるのだが、やはりラーメン類を食べなければ、というわけで、この店のスペシャリテでもある「汁なし担担麺」(780円)と新作の「源醤らぁ麺」(780円)を注文する。順序としては「源醤」を先に「担担麺」を後に出してもらうことに。

 メニュー名の「源醤」とはまさに「醤油の源」という意味。大豆と大麦で作る「醤(ひしお)」と、その醤を樽の中で発酵熟成させていく過程で出て来る上澄みが「源醤」で、これはまさしく醤油のルーツ。銚子には400年続く老舗「銚子山十」では「ひ志お」という名前で醤を販売しているが、銚子土産としてよく知られていて僕も何度も買い求めては調味料として使っている。スープをすすると醤油の力強くくっきりとした味わいが立ち上がるのだが、塩分などは強くなく大豆の旨味と共に醤油の本質的な部分だけが感じられる。これを普通の醤油でやろうと思ったら間違いなく塩分が強過ぎて飲めたものではない。旨味の要素である醤と源醤を使うことで醤油の根幹だけが活かされて、醤油よりも醤油らしい味わいになっているのだ。いや、このスープは美味しいなぁ。銚子=醤油の町らしいまさに銚子ラーメンという一杯になっていると思う。

 そして「汁なし担担麺」。まず本格的な中華料理店の担担麺とは異なる、太い麺に目が奪われる。と同時に油やタレなどの量も独特のバランス。このビジュアルを見た段階で、いわゆる中華の本道を守るというよりも、そこをベースに攻めて行こうという店主の気概が伝わってくるというものだ。そして味わいもその期待を裏切らないもの。自家製のラー油は辛過ぎずに素材の旨味をしっかりと蓄えていて、特に中国山椒や陳皮などのバランスが前に出ているので非常に爽やかだ。そこにもちもちした太麺がよく合っていてとても美味しい。かきまぜるごとに香りが鼻を抜け、食べ進めるごとに程よい辛さと痺れが口の中に広がっていく。どことなく油そばを想起させる味わいは、中華の技法や要素を十二分に発揮しつつラーメン寄りにシフトしているような印象を受ける。「飄香」の担担麺とはまったく異なる、この店ならではのオリジナルの味になっているのが良いなぁ。

 まだ若い店主が一生懸命料理に取り組んでいる姿勢に非常に好感が持てる。奇をてらう事なく、それでいて他にはない味を出すというのはなかなか難しいことだと思うが、それをしっかりと形に出来ているのではないかと思う。ぜひ今度はこの店主の作る一品料理なども食べてみたいと思った。(Ricky) Check

2011.9.2