中華そば奥村屋【閉店】


中華そば奥村屋【閉店】

ジャンル
醤油

基本メニュー
中華そば(680円)

場所
柏市豊住1-4-3

電話
 

営業時間
11:30〜14:30,17:30〜20:00
11:30〜15:30頃(120食限定)(土日祝)

定休日
月・火

アクセス
東武野田線「新柏」駅下車。線路脇を豊四季方面へ直進。マツモトキヨシ脇を直進、突き当たり丁字路を右折。道沿い右側。歩道橋手前の住宅。駐車場あり。


 2000年に松戸に開業し、2004年に惜しまれつつ閉店したあの「奥村屋」が、ついに完全復活である。場所は新柏から歩いて8分くらいの住宅街。新築のお洒落な洋風の一軒家の軒先には、およそ不釣り合いの白い暖簾が掲げられている。ここは店主奥村氏の自宅にして、新・奥村屋のラーメンが提供される店舗でもあるのだ。

 玄関で靴を脱いでリビングに通される。同じように自宅を店舗にしている「花キッチン」のように、リビングから直接入るのではなく、玄関からお邪魔する、といった状況が面白い。そして通されたリビングには4人がけのテーブルが3つ、2人用のテーブルが一つ置かれている。コカコーラのネオンサインや、数々のブリキコレクションは店主の自室にあったものを、お客さんにも見て貰いたいと1階に下ろしてきたもの。リビングは2間続きになっていて、もう一つの部屋の方にはデザイン家具が数点配置されていて、白黒チェック柄のフロアといい、50年代のテイストがあちらこちらに顔を出している空間になっている。これは店にするためにこうなったわけではなく、そもそもがこういう雰囲気の部屋だったのだ。私はお店をやる以前にこのお宅にお邪魔したことがあるが、4人がけのテーブルが置かれている以外は、ほとんどといっていい程変化がない。厨房は以前物置だったところを全面的に改造して、以前のお店よりも機能的でパワフルな厨房が出来ていた。店主は厨房でラーメンを作り、リビングと繋がっている小窓からラーメンをフロア担当の奥様に渡すオペレーション。ラーメン作りに専念したいという店主らしい。

 閉店間際の奥村屋の味は食べていないので、それよりも前の味との比較になってしまうのだが、どのメニューも単純に凄い味と感じた。旨いか旨くないかはそれぞれの嗜好もあるだろう。しかしこのスープの含んでいるうま味の凄さはどうだろう。バランスで言うならば動物よりも魚介類、特にワタリガニ(だそうだ)のうま味が強く感じられる。カエシにほとんど頼らずに、素材のうま味でスープを構築しようというアプローチは、なかなかありそうでないものだ。スープやカエシのレシピ自体は閉店時と変わっていないということだが、病気をしたことで店主自身の味覚は変わったかも知れないとのことだった。

 そのスープよりも存在感を示しているのが自家製麺。切り刃10番の極太平打ち麺は、きしめんのようなビジュアル。しっかりと噛みしめることが出来る、気合いの入った麺である。程良い弾力と歯切れの良さが心地よい麺だ。量は300g(ラーメンは200g)あって食べ応え十分。しかも食べた後で水分を吸って膨らむ麺なので、かなり腹持ちがいい。麺を打ち始めて数ヶ月でこの出来映えなのだから、これから先の麺の進化を考えると恐ろしい。つけそばにするとその麺の存在感はより一層凄みを持って増してくる。この平打ちの麺が面白いくらいにつけダレを拾ってくる。この麺の場合、つけダレの関係は絡むという表現よりも、挟んでくるというか拾ってくるという表現がふさわしい。麺と麺の間につけダレを保ってくるといった印象だ。

 ただ正直つけそばの場合は、麺の硬さはもう少し柔くてもいいのではと思った。場所柄老若男女様々なお客さんが訪れるだろうから、客を見て茹で加減を変えるような工夫も必要かもしれない。また良くも悪くも調味料に頼った味の構成になっていないので、汁そば系はダメな人はダメかもしれない。普通の人に分かりやすいのはおそらくつけそばの方だろう。

 いずれにしても、1年以上の時を経てついに復活した奥村屋。千葉のラーメン好きを1年以上待たせただけのことはある。今年必食の店であることは間違いない。(Ricky)

2005.6.4