中華宮下


外観(10.10.11)

ラージャンメン(10.10.11)
チャーハン(10.10.26)

所在地 勝浦市墨名706-4
電話 0470-73-0585
営業時間 11:00〜19:00
定休日 なし
アクセス JR外房線「勝浦」駅下車。ロータリーを出て「勝浦駅入口」交差点を右折しすぐ右側。

大きな地図で見る

 このホームページで勝浦のラー油タンタンメンを初めて紹介したのはもう5年以上前になるだろうか。まだ呼び名が決まっていなかった勝浦特有のタンタンメンを、竹岡式に倣って「勝浦式タンタンメン」と名付け雑誌や書籍でも紹介した。その後、地元でも町おこしの機運が上がり、「勝浦タンタンメン」という名称も定着して、来年はいよいよB−1グランプリにも参加しようと気合いが入っている。市内にはラーメン店のみならず、喫茶店や焼肉店食堂、喫茶店など多くの飲食店で、独自の味のタンタンメンを提供していて、僕も多くのお店のタンタンメンを食べてきたが、その中でもかなり上位に位置するのが創業30有余年の老舗「中華宮下」である。

 店はごくごく普通のどこにでもある昭和ノスタルジック中華食堂。メニューを見ても「ラーメン」(450円)や「チャーハン」(650円)、さらには「中華丼」(650円)や「カレーライス」(650円)までもある、いわゆる街の中華屋さんである。しかしどのメニューも磨き上げられていて食べると驚いてしまう美味しさなのだ。そんなお店だからこそ勝浦タンタンメンも素晴らしい存在感。こちらの店では「ラージャン麺」(700円)と呼ばれているこのメニュー、ラーとは中華で辛いの意味の「辣」で、ジャンはおそらく「醤」のことだろう。

 勝浦タンタンメンは醤油ラーメンの上にラー油で炒められた刻みタマネギと挽肉が乗るのが一般的だが、この店では刻みタマネギと刻んだ肉片を注文を受けてから素材を刻み手際良く炒めていく。作り置きしている他の店と違って、炒めたてなのでシャキシャキとした食感や優しい甘味が広がり、具材の素材感が他の店とは違う。一見真っ赤なラー油が浮いたスープだが、飲み進めてみると辛さの中から炒めたタマネギや肉の甘みが顔を出す重層的な味わいで見た目ほど辛くはない。そして麺は細ストレート麺を硬めに上げてくる。ザックリとした食感が非常に軽やかで心地よく、ラー油をまとって深みのある味わいになっていくのだ。そこにタマネギや肉、白髪ネギなどが絡んで来て、ラー油の香りとともにザクザクとした麺を味わえば、あっという間に完食してしまう。

 30年の間、弛むことなく研究を重ねてたどり着いたとご主人が豪語するだけのことはあり、非常に存在感があってなおかつ食べやすく美味しい勝浦タンタンメンに仕上がっている。伝統の味や方向性はリスペクトしつつ、今一番美味しく作るにはどうしたら良いかという思いがしっかりと現れている。老舗店の場合、古くから続く味をかたくなに守っていく店も少なくないが、こちらのご主人の作る味は常に挑戦的で前向きで、およそ老舗とは思えない攻撃的な味わい。中でもこのラージャン麺は最たるもの。客のほとんどがこのメニューを注文するのもうなずける。勝浦タンタンメンを語るのに欠かせない名店と言って良いだろう。(Ricky) Check

2010.10.26