喜多八(閉店)

外観(05.11.6)

中華そば並(05.11.6)

やきそば並(05.11.6)

喜多八

ジャンル
醤油

基本メニュー
中華そば並(450円)

場所
茂原市高師830-1

電話
0475-22-2072

営業時間
10:00〜18:00頃

定休日
不定休

アクセス
JR外房線「茂原」駅南口下車。ロータリーを出て交差点を右折。道沿い左側、変則五差路角。茂原駅前郵便局向かい。

 千葉拉麺通信を立ち上げた当初、確か茂原のKatsuさんに教えていただいたお店である。その後、いつかは行かねば行かねばと思いながら、気がつけば5年以上も放置していたお店である。どうも老舗というのは昔からずっとあるだけに、いつ行ってもあるような錯覚にとらわれてしまうのだが、同じように以前から教えていただいていて、行けずにいた佐倉の老舗「満洲軒」が年内限りで閉店というニュースもあったりして、やはり行ける時に行っておかないといけないと、そんな思いが昔からある老舗店に足を運ばせるのかもしれない。

 この店は茂原駅から程近い、変則五差路の角にひっそりと建っている。建物にも生気ってモノがあると思うのだが、この建物は失礼な言い方をすれば、暖簾がかかり電気が点いてるにも関わらず、全くそういう生気を感じさせない建物だったりするのである。そこにとりあえずは古い暖簾が掛かっていて、中の電気が点いてるからこそ中に入れるというもので、いや、まったくの素人が(何の素人なんだか)この土地に初めて来て、この店を選び入るということはまず考えられない、要するに排他的な建物だったりするのである。部外者立ち入り禁止、みたいな(笑)。この日は連れがいたから入れたようなものの、一人だったら入れなかったかも知れない。

 店の中に入ると、SATO-Cさんが以前表現していた世界が確かにあった。ラーメン博物館以上に博物館的なその雰囲気に、なぜか飲料水の蛇口があったりして、突っ込みどころ満載の店内であるが、中でもとりあえず注目したいのは卓上の胡椒。醤油やソース、酢などはなく、胡椒のみ。箸置きも紙ナプキン入れもないのに、なぜか胡椒だけが各テーブルに置かれている。そして次に注目すべきはメニュー。壁に張られたメニューは「中華そば大」(500円)「中華そば並」(450円)「やきそば大」(500円)「やきそば並」(450円)。そして「サイダー」(100円)「ジュスー」(150円)。ジュスーの伸ばす場所が違うのはいいとして、気になるのがサイダーである。これ、実は100円という値札が上から張ってある、つまり料金改定が成されているということなのであるが、多分この金額ならば値下げしたのだろう。その経緯が知りたい。

 おばあちゃんが出てきて注文を聞いてくる。何しろ「中華そば」「やきそば」しかないので、それぞれを並で。「中華そば」は薄目のカツオ出汁が効いたスープに多めの麺が入っていて、どこか懐かしさを覚える味わいである。具はモモ肉のチャーシューに、海苔、サヤエンドウ、メンマ、なるとが2つ。そして「やきそば」はデフォルトだと塩味になっていて、ソース入れと一緒に出てくる。そうそう、割り箸も裸で一緒に出てくる。だったら胡椒もラーメンと一緒に出てくればいいのに、なぜか胡椒だけは卓上に最初から置かれているのだ(笑)。

 SATO-Cさんが言うように、確かにこの店の味だのなんだのを語るのは野暮というモノだろう。千葉拉麺道を極める者としては、この雰囲気を味わうためだけに茂原に行く価値がある。そんなお店である。(Ricky)

2005.11.6

 久々にこの店の事が会議室にでたので、本日行ってまいりました。この店に入るのは、10年以上ぶりになるだろうか。頻繁に近くは通っているのだが、なんとなく入店までには至らなかった。あまり意識せずに食べた前回のことは、正直ほとんど覚えてはいない。ただ、店のたたずまいだけは10年前と変わっていないということだけははっきり言える。

 テーブルが4つ、16席の片隅で中華そばの出てくるのを待つ。店内にいると今が平成の世である事を忘れさせるかのような雰囲気だ。運ばれてきた中華そばは鰹が強く出た魚系のスープ、なんとなくああ懐かしいと思わされてしまう味である。自分の記憶の中では中華料理店でよくあるスープだったような気がしていたので、人間の記憶とは曖昧だなあと思わされた。

 しかしながらこの店の中華そばは、スープがとか、麺がとか、具がとか、そういったもので語ることのできないものであろうと思う。コンクリの打ちっぱなしの床といい、年季の入った鉄パイプのテーブルと椅子といい、この店の店内全体が、実際にその年月を経ていないと持つ事ができないオーラのようなものを持っている。なんだか今までに自分が来たことがあるような感覚にさせられてしまい、それが安心感のようなものを引き出す。これらも含めて一つのパッケージとして、この店の料理は完成しているのでしょう。それこそが理屈とかではなく、このお店の常連さん達を魅了してやまない大きな要因なのだろうと感じました。

 また10年後もこのままの姿であるのかはわかりません。でもあり続けてほしい、そうあって欲しいお店です。(SATO-C)

2004.2.25