元祖九州ラーメン日吉八重原店

外観(07.1.19)

ラーメン(07.1.19)

基本メニュー ラーメン(270円)
所在地 君津市三直1316-3
電話 0439-52-3166
営業時間 11:30〜20:00
定休日
アクセス 館山道「君津」インター下車。県道92号線を右折(君津市街方面)。市民文化ホール先、東芝コンポーネンツ角を右折し、新日本製鐵八重原団地内へ。

 君津は新日本製鐵の城下町。今から何十年も前に工場が出来た時に、北九州から多くの方達が移住してきた歴史があり、その時を同じくしてラーメン店も一緒にやってきた。その後ラーメンブームなどの影響を受けずに君津の地で営業を続けてきた店のラーメンは、今から数十年前の九州ラーメンそのままの形で保存されていると言ってもいい。そんな君津独自の「君津式豚骨」とも呼ぶべき老舗はいくつかあるが、その中でも新日鉄の社宅団地内にまるで社員食堂のごとく存在するのが、君津では誰もが知る老舗ラーメン店「九洲ラーメン日吉」である。元々はテント屋台営業だったというこの店だが、現在では八重原団地と大和田団地にそれぞれ店を構えており、今から3年前にはこちらのご子息が東京八丁堀に「元祖九州ラーメン日吉」という店も開業されている。

 さて、この八重原店だが新日鉄の社宅団地内のスーパー脇にひっそりと、ホントひっそりと立っている。そのスーパーも廃業してしまっていて、暖簾がかかっていなければやっていないのでは?と思わせるような外観だ。しかしお昼時ともなれば団地の新日鉄関係者のみならず、車などで近隣の住民も足を運ぶ。地元密着型の人気店なのだ。店内は薄暗くカウンターとテーブルがあるが、一人客でもほとんどのお客さんがテーブル席に座っている。まるで人の家に行ってしまったかのような緩い空気が漂う大和田店とは異なり、明らかにラーメン店的な緊張感は漂っているものの、やはり昭和を引きずったイメージというか、時が止まったような感じは変わらない。

 メニューも基本構成は大和田と同じ。「ラーメン」(270円)「大盛ラーメン」(320円)「チャーシューメン」(450円)の他、「月見ラーメン」(320円)「紅ショウガラーメン」(320円)などがあり、80円からのおでんももちろんある。ラーメンはライトなボディの豚骨スープで、表面に油などもあまり浮いておらず、豚骨でありながら非常にさっぱり。しかし豚骨臭はしっかり出ている、博多や長浜の屋台で味わったような軽い豚骨スープで、おそらく九州の味そのまま持って来たのだろうなぁ、というイメージのラーメンである。なので、いわゆる今流行のラーメンと比べてどうこうというラーメンではなく、麺の茹で加減が…などと野暮なことを言うこと自体が無意味である。30年以上変わらずこの味を出し続けていて、その味を今でも味わえるということを素直に喜び、そしてこのご時世で270円という価格でラーメンを出しているその姿勢に敬意を表したい。そんなラーメンである。一般の人に強くオススメはしないが、千葉のラーメン好きならば学術的観点からも一度は行くべき必食の店であることは間違いない。

 いつものように人がきて、いつものように座り 、いつものようにおでんをつまみ、いつものようにラーメンを食べている空間。雑誌などでこの空間を邪魔してはいけないと思わせる空気。どう見ても明らかにアウェーである私は、そんな空間にたたずむ常連さんたちをちょっと羨ましく思いながら、店の片隅でラーメンをすすり、そそくさと店を出るのである。(Ricky)

2007.1.19