江ざわ

外観(06.10.15)

坦々麺(06.11.12)

坦々麺中辛(06.10.15)

ラーメン(06.11.12)

餃子(06.11.12)

基本メニュー 坦々麺(730円)
所在地 鴨川市北風原150-1
電話 0470-97-1559
営業時間 11:00〜20:00
定休日 月・不定休
アクセス 鴨川市内から県道34号(長狭街道)を富津方面へ直進。県道沿い右側。駐車場あり。

  千葉のご当地ラーメンといえば、内房は富津市竹岡の「梅乃家」を発祥とする「竹岡式」が知られているが、外房でも勝浦を中心にした狭いエリアで、ラー油の辛さを効かせた独特な「タンタンメン」が多く出されている。これは芝麻醤などを使った胡麻風味のスープではなく、醤油ベースのスープにラー油が浮いた独特なラーメンで、明らかにこの地域だけに根付いた独特なラーメン文化である。この地域以外でこのラー油ラーメンをタンタンメンと呼ぶことはまずないだろう。そこで「竹岡式」にならって「勝浦式」タンタンメンと命名しようと思う。千葉第2のご当地ラーメンと呼んでもいいのではないか。そのくらい、このエリアには浸透しているメニューなのだ。

 この「勝浦式」ラー油タンタンメンは現在少なくとも勝浦市内の十数軒のメニューに載っていることが確認されているが、元々はこの勝浦にあった一軒のお店で始まったメニューだと言われている(この歴史については勝浦常連客さんの記述に詳しい)。その発祥の店がこの鴨川にある「江ざわ」である。元は勝浦にあった店だが先代が亡くなり閉店後にご子息が今から5年前に鴨川で再興されているのだ。鴨川と聞くと海沿いをイメージするが、この店は完全に山側、加茂川に沿ったエリアにある。鴨川市内から富津、内房方面へと抜ける県道34号(長狭街道)沿いだ。車がないと辿り着くのはまず無理な店だろう。無論店の前には駐車スペースが数台分確保されている。

 看板や店先の暖簾など「坦々麺」の文字が踊ってはいるが、メニュー構成はしっかりと「食堂」である。ラーメン類のみならず、「カレーライス」「唐揚げ定食」「おでん」「串カツ」「もつ煮」…。ラーメン専門店なんてぜいたくなモノはなんでも揃う街中にしかない。ここはラーメン店であり、食堂であり、居酒屋でもある。だから客層も家族連れから酒目的の人まで幅広い。正に「地元に愛されている」店なのだ。

 「勝浦式」発祥の店の味はいったいどんな味なのか。これは勝浦式タンタンメンに揃って言えることであるが、ラー油がたっぷり使われているのにもかかわらず、意外に辛くはない。私が辛いモノにどちらかと言えば強いので、一般的な意見ではないのかも知れないが、見た目よりも辛くはない。ラー油の辛さに醤油の味がうまく合わさっているスープは、ベース自体はそれほど重くはなく軽めの味わい。スープに沈んでいる挽肉からの旨味も出ていて、さらに炒められたタマネギの甘さも加わって柔らかい味になっている。そして真っ赤なスープの上に真っ白い白髪ネギが乗っていて、赤と白のコントラストに丼の青い縁が鮮やかに映える。画的に映えるラーメンっていうのは食欲をそそるが、このラーメンはその期待を裏切らない味になっていると思う。麺は中細のやや縮れた麺で、しっかりした食感が楽しめる。

 思った以上に複雑な味わいを持ち、たしかな深みとさわやかなキレ、そして重層的な旨味。「勝浦式」の本家本元のタンタンメンは本家の名にふさわしい、重みのある一杯だった。ラーメン好きは一度は食べるべき一杯だ。(Ricky)

2006.11.12

 外見は普通の食堂という感じで、知らなかったら完全に素通りしてしまうと思われます。ただし「元祖坦々麺」の暖簾が大きく掲げられていて、坦々麺がメインのお店なのだなと予感させます。

 店内に入ってみると、やはり普通の食堂。近所の人が気軽に食べに来るお店という感じです。また、キャパは意外に大きくてテーブル2つに、小上がりでテーブル2つ。更にお座敷でテーブルいくつかという感じで(お座敷はちゃんと見ませんでした)ざっと20〜30人は入れるんじゃないでしょうか。メニューは「坦々麺」(730円)の他にも、ご飯ものや定食のようなものがあります。「坦々麺」は辛さが普通、中辛(750円)、大辛(830円)と選べて、更に「上坦々麺」(830円)なんてものもあります。普通の坦々麺と上坦々麺の違いは大量のひき肉がのるかどうかの違いだけです。

 さて肝心の坦々麺ですが、まず注文してから出てくるまでに時間がかかります。これは私が何度か通って実際に時間を計ってみたんですが、注文してすぐに調理し始めていても、大体15〜20分ぐらいかかります。どうも手間がかかっているようです。ですので先客がいたりするとかなり待たされますので、この事は覚悟して行ったほうが良いと思われます。

 次に提供された坦々麺の第一印象ですが、「赤」!スープが真っ赤です。それも唐辛子の赤というよりもラー油の赤。これをちょっと濃くした感じ。更にそこに浮かぶネギ!これもスープに浸かっている玉ねぎと上に乗っている長ネギが大量で、かなりインパクトがあります。実際に食べてみると、かなりあっさりした醤油スープに大量のラー油、炒められて甘みが出ている玉ねぎ、大量のにんにく、長ネギなどの味が混ざって物凄く辛いだけっぽいんだけど、いろいろな味が混ざることによって意外に辛くなくて、懐かしくて単純そうな味なんだけど深みのある味という感じ。私は似た味のラーメンを食べたことがないので(はらだは別)他に喩えようのない味です。ですので、食べたことの無い人には是非一度食べてみて欲しい味ですね。所謂一般に言う坦々麺とは全く別物のラーメンです。

 最後に注意事項。あまり辛くないとは言っても、やっぱりある程度は辛いので、辛いのが苦手な人にはお奨めできません。また、普通の辛さはいいんですけど、中辛以上になると一気に辛くなりますので注意してください。(ふゆつき)

2006.10.15

 「房総ラー油系激辛タンタン麺」のルーツは「江ざわ」ですが、現在のご主人の先代のお店が勝浦市にあり、昭和40年代にラー油系タンタン麺で有名になりました。この時のタンタン麺誕生の話をご披露いたします。

 昭和35年頃、勝浦の「江ざわ食堂」の近くに魚の行商をしていた「酔っ払いの安さん」という、近所の子供たちから見ると鬼のような形相をした怖いおじさんがいました。この人は横浜で中華料理のコックをしていたと言って、わずかばかりの酒代に目がくらみタンタン麺の作り方を「江ざわ食堂」の主人に売ってしまったと聞いています。当時タンタン麺は江ざわ食堂でしかやっていなかったので、勝浦の名物となり大ブレイクしました。ご主人は飲食店の組合長をやったり、当時珍しかったハワイに海外旅行に行って、アロハにストロウハットでお土産をいっぱい抱えて帰って来たりしていました。

 先代のご主人がお亡くなりになり、借家だった店舗を返す事になり閉店してしまいました。息子さんが鴨川で「江ざわ」を開店して、最近ようやく昔の江ざわ屋の坦々麺の味になったと昔からの坦々麺ファンの声も聞かれます。現在、勝浦で売り出されているタンタンメンは「江ざわ」から直接作り方を伝授された下本町朝市通り「いしい」や、江ざわのタンタンメンを研究または模倣したものでしょう。勝浦で生まれたタンタンメンの歴史は50年ほどになります。(勝浦常連客)

2006.6.23