九州豚骨どうたぬき(閉店)

外観(03.8.25)

らーめん(03.8.25)

らーめん(04.5.28)

CW限定 担担たぬき(05.3.25)

CW限定 桜豚的そば(06.4.4)

九州豚骨どうたぬき

ジャンル
豚骨

基本メニュー
らーめん(650円)

場所
船橋市本中山2-8-18

電話
なし

営業時間
11:30〜14:00,18:00〜22:00(素材切れで終了)

定休日
火、第1・3水

アクセス
JR総武線「下総中山」駅北口下車。国道14号線へ。国道を右折(千葉方面)へ。道沿い右側。

 昨年の春にお願いした限定ラーメンが非常に好評だったので、今年も面倒なお願いをすることとなった。今回は豚骨桜ラーメンと銘打っての限定創作ラーメン。前回に増して創意工夫溢れる一杯に仕上がっていた。その名も「桜豚的そば」これで「さくらとまとそば」と読ませる。

 今回ご主人の高尾さんが挑んだのは「あっさりした豚骨ラーメン」。桜や春のイメージは「こってり」ではなく「あっさり」だろうと、通常のどうたぬきのスープのような濃厚な味わいではなく、さっぱりした味わいにしたかったのだという。そこで通常の白濁スープとトマトに鶏ガラ、昆布などを使ったサッパリスープをおよそ半々でブレンドすることでサッパリ感を演出。春キャベツやタマネギ、モヤシ、ニンジン、大根、絹さやといった野菜達と豚バラ肉のスライス、チャーシューの角切りを鍋であおって野菜炒めを作り、それをスープで茹でて仕上げる。いわゆるチャンポンをイメージした味わいと作り方になっているのだ。こうすることでスープに野菜、特に春キャベツの甘さが出て、豚骨がよりマイルドな味わいになっていると思う。またイカのゲソを潰して生姜や粉末の桜海老を入れた自家製ゲソ団子がとても美味しい。これが2個乗っているのはサクランボをイメージしているのだそう。

 豚骨とトマトスープの組み合わせは他でも見ることが出来るが、この店のWスープの主役はあくまでも豚骨。トマトは脇役というか引き立て役でしかない。それが今までにない新鮮な印象を持たせている。敢えて言えば桜海老の香り、特にちょっと焦げたような香りが気にはなった。これがなければもっとストレートに美味しく味わえたように思う。いずれにせよ、どうたぬきの生み出した新しい豚骨ラーメン。今度は具材をもっとシンプルにした形で食べてみたい。(Ricky)

2006.4.7

 CW限定ラーメン春味。今回は「桜」「新緑」「雛祭」「雪解」の4つをテーマに、春のラーメンを競作していただいたのだが、「雪解」は白濁豚骨の店4軒にお願いした。そんなわけで、ここ「どうたぬき」は「雪解」ラーメンの創作。店主の高尾氏とお話させていただいた時に、ラーメンに対しての取り組み方や考え方を聞いて、これはいわゆる限定ラーメンのようなスペシャルメニューを作られても非凡なモノを出されるのだろうなぁと思っていたので、いつかはお願いしようと思っていたお店。そしてやはりそれは予想通りというか予想を超える完成度であった。

 麺は通常のラーメンと同じく奥様が作られる低加水の自家製麺。スープも通常と同じ白濁豚骨スープ。限定用にスープを取るというのも手間がかかることだが、すでに味のバランスが決まっている通常のラーメンを活かすのもまた難しい。このラーメンを担担麺風に持っていったのは大正解。ここに芝麻醤や酢、ニンニク油と自家製ラー油で味付けをしている。辛さは予想していたよりは辛かったが、基本的に辛いモノ好きの私としては大満足。具としては自家製の鶏団子が2つ乗っている。日向地鶏の胸挽肉と有明海産のタイラギ、ネギなどを使って作られた鶏団子はショウガの風味が効いていて、食感も非常に柔らか。この食感の秘密はジャガイモだそうで、茹でて潰したものを混ぜているのだそう。タイラギは鶏肉以外に固めの食感を入れたかったからだそう。

 そして今回のテーマでもある「雪解」「春」をどのように演出しているのか。このラーメンでは具を使って雪が溶けて春になる様を表現している。まず「降っている雪」が粉チーズ、「積もっている雪」がヨーグルトチーズ、「溶けかかった雪」が大根おろし、そして雪が溶けた後に現れる「春の芽吹き」を茎モヤシと九条ネギで表現した。この一つ一つの具がスープに実に合っている。大根おろしや程良い酸味を持ったヨーグルトチーズは辛いスープの味をマイルドにするし、粉チーズは麺に絡んできてなかなか美味しい。

 ラーメンの食べ始めから中盤、そして後半戦と、どの場所でも飽きさせない味わいになっている。そして「どうたぬき」としてのアイデンティティはしっかりと持っているラーメンになっている。非常に満足出来る一杯であった。(Ricky)

2005.3.25

 久々にこの店を再訪する。いやぁ、びっくりした。開店当初と比べて随分と深みや旨味が増しているのである。ベクトルは変わっておらず、相変わらず豚頭のみをガンガン煮込んだスープなのだが、タレに他の旨味を足していったのだという。鶏や野菜の旨味をタレに加えたというのだが、それだけで随分と表情が変わるからタレって重要なのだなと再認識。

 ご主人はまだ「甘み」が足りないと、日々スープ、タレ作りに研究している様子であった。ただ若干以前よりも塩分が高めに感じた。醤油や塩の塩分濃度がもうちょっと低ければ、より豚頭のそれこそ「甘み」も感じられると思うのだが。麺も大分改良を施されたようだが、やはり茹でアシと量とのバランスが掴み辛い部分はある。これもいかに茹で伸びの時間を遅くするかが課題だという。いずれにしても、以前よりも遥かにパッケージとして完成度が高まっているのは間違いない。(Ricky)

2004.5.28

 国道14号線、下総中山付近に豚骨ラーメン店が出来たという情報が入ってきてから、なかなか足を運べずにいた店。約2ヶ月を経てようやく行くことが出来た。駅から歩いてすぐだし、店の前にはコインパーキングがあるので、電車でも車でも便利な立地である。とはいえ、わりと今風の小ぎれいな外観の店ではあるが、このあたりは商店なども多く、車だと油断していると素通りしてしまうかも。看板には「どうたぬき」の文字。これは戦国時代に名を馳せた熊本の刀工「同田貫」から取っている。正宗や吉光ほど名は知られていないものの、今の世にも続く歴史ある刀工の一つである。僕はてっきり他の刀工名と同じく人の名前から取っているのかと思ったら、どうやら九州肥後地方の地名を指しているらしい。それがいつの間にか刀工の名前になってしまったようだ。

 店内は逆L字カウンターで、意外に広々としている。厨房に店主が一人、フロアに女性が一人。店主はスープに気を使いながらも「いらっしゃいませ!」と声をかける。テーブルの上にメニューが置かれていて、店主が自分で撮ったのであろうデジカメ写真の入った「能書き」がある。豚の頭骨だけを強火で長時間煮込んだスープに、自家製中細ストレート麺、国産SPF豚のバラ肉チャーシュー、放し飼い鶏の有精卵で作った半熟味玉などと書かれてしまえば、期待も高まると同時に少し構えてしまう部分もある。いずれにしても店主が細部にまでこだわっている、ということを主張するには十分なメニューである。そしてそのメニュー構成は至ってシンプル。「らーめん」(650円)「ちゃーしゅーめん」(900円)「ぎょうざ(5個)」(300円)「小ライス」(100円)「生ビール」(300円)とこれで全部である。過不足のないメニューといった印象。もちろん「らーめん」を注文する。

 同じくカウンター上にある「同田貫」の説明によると、店主は熊本の玉名出身だという。玉名と言えば、久留米ラーメンが伝わった地域でそこから熊本ラーメンへと流れていったという地域。そして出てきたラーメンは熊本ラーメンというよりは、明らかに久留米ラーメンの風貌をしていた。色も白濁というよりは、沈んだ深みのある重い色をしていて、粘度もかなりある。そして舌に残るざらつき感。塩分濃度はほどほどで、どうやら化調は使ってないようだ。僕は化調好きではないけれど、実際食べてみて、このパッケージでの無化調はちょっとしんどいかもしれないという印象を持った。もしくはカエシをもう一工夫するか、いずれにしても豚頭のスープの旨みで持っていこうという方向性は分かるが、けっして豚頭の旨みだけでは食欲はそそらないもんなぁ。深いスープなのだが、味が平坦。ようするに旨みが一味足りないのである。そしてそれは豚骨ラーメンの場合は、一般的に化調でまとめてしまうのである。化調を使わない気概は素晴らしいと思う。であるからこそ、もし無化調にこだわるならば、化調の代わりになるものを加えなければ、それはもうパッケージとしては成立していない。ニンニクチップが卓上にあるのは、熊本のDNAが感じられる。細かく刻んであり麺にも絡んできて。これはなかなかよかった。

 麺は加水低めの自家製麺で、食感的にはもう少し詰まっている麺の方が好みだが、これはこれで悪くないと思えるレベルの麺。ちなみに替え玉や大盛りもあるそうだが、それはどっちかだろう(笑)この麺だとアシが早そうなので、グラム数にもよるだろうが大盛りはしんどいかも。具はチャーシュー、九条ネギ、半熟味玉、海苔などだが、やはり九条ネギと濃厚スープの相性っていいことを再確認。京都などでも九条ネギ入っていると美味しいもんなぁ。あと海苔は非常に香りがよく、海苔増しがあったら間違いなく頼んでしまう程であった。またチャーシューは確かにとろけるチャーシューだが、多少臭みが気になった。また味玉は頼むから綺麗に剥けたものだけを客に出してくれ。

 色々書いたが、基本的にはかなりハイレベルの店。スープは臭みも一切なく、濃度も十分。豚骨好きを十分に唸らせるだけの実力を秘めたラーメンであることは間違いない。だからこそ、細かいところが気になるのである。僕的には再訪間違いなし、定点観測間違いなしの店である。今後が非常に楽しみな新店の登場であった。(Ricky)

2003.8.25