再始動?編その1:Victory改めモリカツの野望


2004.9.8 元祖一条流がんこ十一代目にて

 それは突然で必然でもあった。拉麺少年隊が姿を消して、早いもので3年以上の年月が流れていた。少年隊は皆大人になり、「千葉ラーメン探偵団」に入団し、千葉のラーメン界を駆け抜けていった。その意志と情熱は「千葉ラーメン研究所」に受け継がれていった。しかし今年に入って「千葉ラーメン研究所」は突如消滅した。Victory改めモリカツ、そしてオッキーたちはどこへいってしまったのか。。。

 その日、私は一人行徳にいた。台風が迫りくる夜、行徳バイパスで強い風に対峙していたその時、目の前に一人の男が現れた。「キャップお久しぶりです」そこにはもはや少年とは言い難い、一人の青年が立っていた。「覚えていますか?」こ、このストライプのポロシャツは…。私の目の前に立っているのはVictory改めモリカツであった。

 「久しぶりだなぁ。もう大学4年生だろ?就職は決まったのか?」と訪ねると、なぜか悲しそうな顔をしてVictory改めモリカツは私を見つめている。しまった!と思い「ま、これからまだ募集もあるだろうしな!ファイトファイト!」しかしモリカツは更に悲しそうな顔で私を見つめているではないか…。「僕、大学が大好きなんですよ」そうか、そういうことか。大学が大好きなんだな。だから来年も大学生でいたいわけだな…。

 「キャップ、JRAが誇る秘密特訓機関『とラーの穴』を覚えていますか」もちろん覚えている。ラーメンのことを何も知らない純真無垢な少年を監禁して、ラーメンフリークにしてしまうという恐ろしい施設だ。しかしあまりにも厳しい訓練で脱走者が続出し、閉鎖されたはずだ。「あそこは…」と言いかけた私をVictory改めモリカツは遮った。「閉鎖なんかしてませんよ。僕はとラーの穴に戻って、後輩達の指導にあたっていたのです。確かに厳しい訓練で脱落していく人間は後を絶ちませんでした。しかし新たに有望な新人を僕が見出して、密かに育てていたんですよ」

 私は動揺を悟られないように言った。「今さらそんなことをして何になる?もう少年隊は終わったんだ!」するとVictory改めモリカツはまた悲しそうな顔をして言った。「あの頃はラーメン店にいけば、女の人からは『少年隊の子ね♪』と握手を求められ、ラーメン屋さんも『を!少年隊!』とチャーシューをおまけしてくれました。しかし千葉拉麺通信の都合で少年隊コーナーは終わり、千葉ウォーカーの都合で探偵団や研究所も終了してしまった。。。もう一度あの頃の輝きを取り戻すべく、少年隊を再始動させるんですよ!」だから高校時代と同じストライプのポロシャツを着ているのか…。恐るべしVictory改めモリカツ。

 「Victory改めモリカツ落ち着け。いいか、お前はあの頃高校生だった。しかしもう成人式も終えて、立派な大人じゃないか。少年隊なんて歳じゃないんだ」諭すように言う私にVictory改めモリカツはこう言い切った。「東山紀之が何歳だと思っているんですか、キャップ」

 何も言い返せない私の前に2人の男が走ってきた。一人は千葉ラーメン研究所最後の男、まさみつ。よりレベルの高いラーメン修業をするために、ラーメン激戦区池袋の麺屋ごとうの向かいにある大学を選んだ男である。もう一人は…誰だ?「こいつが味玉嫌いのウザです」こいつがあの味玉嫌いのウザ。。。

 そして3人と私は行徳がんこへ。「拉麺少年隊再登場!」と叫び店内へと入っていくVictory改めモリカツに「何言ってんの、随分大きくなっちゃって。元気だった?」と相手にしない三田氏。気を取り直して中間をオーダー。しかし小さな声で「三田さん、僕のはネギ抜きでお願いします」相変わらずネギを食えないVictory改めモリカツを見て、店主の三田氏はラーメン道の厳しさを教えることにした。「ネギ増しね、了解!」

 そしてラーメンが登場。目の前の山盛りネギに悲しそうな顔のVictory改めモリカツ。チャーシューの下に隠されていた味玉を見て無言になるウザ。まだまだラーメンフリークへの道のりは遠いようだ。。。

再始動?編その2へ続く